最近、注目しているテレビ番組。
それがこれ
https://www.bs-tbs.co.jp/culture/sekiguchikinngenndaishi/
あの名司会者の関口宏さんと作家の保阪正康氏が質疑形式で展開する歴史番組。
土曜日の12時からBS-TBSで放送されています。
キャッチフレーズは「日本の近現代史を通じて世の中を見てみよう!」
僕は特別歴史オタクというわけではありません。
受験でも歴史は苦手だったし、今でも知識があるかというとおそらく中学レベルの知識しか持ち合わせていません。
でも、感じるのは、歴史の裏に経済あり、格差あり、不平等あり。経済的な格差や貧困が歴史の事件には必ず見え隠れしているってこと。
これって今の世の中にも通じるものです。
それが、どう変化し現代に至っているのか。またどう変化しようとしているのか。それを突き止めることこそが、今、目の前にある政治経済を理解する上で、重要ではないかと思うわけです。
近代史の授業は中途半端
関口さんも言っておられますが、なぜか近代史を僕らは教えられてこなかった。鎌倉時代とか平安時代など、当たり障りのない歴史は得意げに先生方が話されていた記憶はありますが、現代史はさっとひととおり触れただけで、あっという間に終わってしまった。「アレ」ってなったのを覚えています。
でも、それでは困るのです。
小さい頃、日本は被害国だと思っていました。
毎年お盆の時期になると、終戦記念日ということで、日本に原爆が投下されたことがさかんにニュースになります。人々は反戦をうったえ、その悲惨さがニュースになります。戦争はもうたくさん。そんな声があちこちで聞こえます。修学旅行で長崎に行ったことがありますが、原爆記念館のいろんな資料を見るにつけ、日本ってなんて可愛そうな国なのだろうとずっと思っていました。
ところが、どうでしょう。大人になって歴史を振り返ってみると、なんとよく見みると日本って可愛そうな国どころか、「加害国」ではありませんか(賛否あるでしょうが)。
もちろん、日本を除くアジアの周辺諸国が植民地化されていた当時の地政学上の背景からすると、やむを得ない事情があったのでしょうが。日本は加害国と言われても仕方のないことをやっていたのです。可愛そうだとしか思えない日本人の感覚は明らかに世界から見たらおかしいと思われるでしょう。
日本人はもっと歴史を勉強すべきなのです。
近現代史の幕開けは考えさせられることが多い
翻って関口宏さんの番組も、そんな視点から見始めた番組なので、毎回考えさせられることが非常に多いです。
明治のはじまりから始まったこの番組も、今は明治17年辺りをうろついています。
印象的なものを集めてみると、
例えば、大政奉還って教科書的にはいとも簡単にできあがったように感じていたのですが、とんでもない。その後、各地の元藩主や元武士はあちこちで暴徒化しています。佐賀の乱とか、秋月の乱、萩の乱とか、この最たるものが西南戦争だったわけで、史実としてはもちろん知っていましたが、なるほどと納得したのは、この番組を見てからです。これも既得権益、金が行動の起点になっていると思います。
それと、岩倉使節団。
あの時代、政府首脳をはじめ、優秀な学生や官僚など150人あまりが、アメリカ、イギリス、ドイツなどを1年半もの間、研究のため各国を歴訪する。これって、いまではとても考えられない話で、よくぞ決断したものだと思います。当時の人はおそらく死を覚悟して行ったのでしょうが、それだけのことはありました。この留学体験が明治時代を切り開いていくパワーになったのは間違いないでしょう。
ってことで、印象に残ったと言っても、すべて中学や高校の歴史で教えられていることです。今更、それがどうしたと思われるでしょうが、歴史を単なる受験科目としか認識していなかった僕のような輩には、歴史を血肉として捉えるにはピッタリの番組と思うわけです。
歴史を考える上でザクっと読める本
しかし、歴史や政治経済を学ぶには、この番組だけではやはり足りません。それを補う考え方、人間を捉える視点が必要で、それには本を読むことです。
まあ、そんな肩肘はった本は読む必要はないので、実用的な本がおすすめです。
1,「斎藤隆のざっくり!世界史」
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あの三色ボールペンの斎藤先生が書いた歴史の本。
タイトルどおり、ザクッと世界史の仕組みがわかる本です。非常にシンプルでわかりやすく受験生というより、僕のような世界史を勉強しなおしたいと思われるかたや、政治や海外取引で世界史を知っておきたいと思う方などには、入門書として最適と感じます。
2,「経済は世界史から学べ! 茂木誠著」
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著者は予備校の世界史の先生。
その筋では有名な方のようで、著書もかなりの数を出されています。
こちらは、斎藤先生の本とは違い、かなりコンセプト性の高い内容になっています。現代経済の仕組みがどうなっているのか、それを近代史の観点から解説されているのが本書です。
3,「サバイバル世界史 茂木誠著」
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これも茂木先生による世界史の解説書。
世界史というよりも、むしろ地政学、歴史力学の解説書といった趣の内容です。各国の近現代史から、どういう力学で争いがおき、どう解決していったのか、そのへんの力学構造を交え解説されています。
世界を俯瞰して見るその「考え方」が非常に参考になります。
まとめ
歴史番組ですから非常に地味な番組です。
たんたんと年代順に出来事を解説されるので、退屈だと思えるときもあります。
なので僕は、バックミュージック的にチラ見しながらこの番組を見ていることが多いです。そして、録画なので気になる部分を何回も見直ししたりして勉強しています。
やはり歴史は常に身近にあるもの。
歴史を知らずして政治も経済もわかりません。今後もこのような番組が増えることを期待したいです。