こんな本を読んでみた!

〜アイデアの作り方〜 見落としがちな一つのこととは?

「アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせに過ぎない」

アイデア発想のイロハですが、
この原点と言われている書物が「アイデアの作り方」という本(ジェームズ・W・ヤング著)

今からもう80年近くも前に出版されている古い本(初版は1940年らしい)なのですが、今読んでもその内容は新鮮そのもの。

最近読み返してみて、

ハッと思ったことがあった

のでそれを記事にしてみました。

 

おさらい

アイデアはどうやって生み出されるのか?
あらためておさらいです。

本書にはこう書いてあるのです。(P55参照)

①資料の収集
②資料に手を加える
③孵化段階。意識の外で何かが仕事をやるのに任せる
④アイデアの誕生
⑤具体化し、展開させる

なにかお気づきでしょうか。

この本を読むのは多分これが3回めほどなのですが、いまさらながらハッと気づいたのは,
僕らがやることは

資料を集めて、それを良く咀嚼すること。

これしか無いという事実です。だってこの作業(①と②)
以外は、もう天からアイデアが降臨するのを待つしかないのですよ。

 

考えたこと

 

(1)本気で集めているか

思ったのは、本気で資料集めしていたかという反省です。

資料という種からしかアイデアは生まれないのだとしたら、あらゆる観点から資料は集めなければならなかったはずです。ですが、とかく僕らはここを省略してしまいがち。

・ネットから
・人から
・現場から
・第1人者から

などいろんな角度で資料は集めるべきなのですが、ほぼネットだけで終わったりしてなかったでしょうか。

(2)事実を集める

もう一つは、とかく僕らは結果を急ぐあまり、なにかの参考書、または業界紙の特集記事を読んで、その結果を目の前の課題に援用してしまいがちです。

事例があるのですから、自社の状況に多少のアレンジを加えてシャンシャンで終わり。まあ、これもあながち悪い方法とはいえませんが。

しかし、それは著者というかなり強力なバイアスがかかった情報であり、使いかた次第ではまったく間違った方向に持っていかれがちです。
集めるべきは、提案でも意見でも論文でもなく事実ではなかったか。

筆者が情報ではなく「資料」と書いてあるのはそういう意味なのではないでしょうか。

 

(3)頭の中だけで終わらせていないか

本書の中で、著者が推奨しているのが、

3X5のメモカード。

よーく考えてみると、あまりにネット情報が散乱した昨今、プリントアウトしたり、カードに書き込んだりという地味な作業をほとんどしていない。

ネットで気になった情報があったら、たんにそれのリンクだけをメモアプリなどに記しただけでそれで情報を集めた気分になってしまっている。

咀嚼されてないのですよ。

これで果たして良かったのか。

 

あとがき

 

今から80年前に出版された書物を元にして、そんなもの時代遅れだと思われたでしょうか。

また、「情報は集めるな」という本を以前読んだこともありますが、情報収集は果たして不要なのでしょうか。

少なくともアイデアを生み出すという観点からずれば、資料は集めるべきだと改めて認識を新たにした次第です。

アイデア出しというと、「既存の要素の組み合わせ」の部分だけが強調されがちなのですが、

とかく忘れがちなのは

「資料(事実)収集の重要さ」

を忘れてはいけません。

気になる方は是非ご一読を。
1時間くらいで読める内容です。