仕事のレポートや企画書、論文作成など、考えに考えを尽くしてしまい、煮詰まってしまったとき、あなたならどうしますか?
ジョギングしますか、それともシャワーを浴びますか?
僕はよく本屋さんに関連の書籍を立ち読みしに行ったり、自宅にある思考術の本をザクッと読み返して頭を切り替えるようにしています。
やはり、文字の力というのは大きい。
いろんなヒントに出会えるし、たった一つのキーワードから斬新なアイデアが閃いたり、解決の糸口を見出すことも度々です。
この思考術、というのがミソで。
業界で一流と言われる方の思考プロセスを追体験することで、
頭が刺激を受け、行き詰まった脳に新風を吹き込んでくれるのです。
- 頭を刺激してくれる思考術の本 全18冊
- 1.魔法のコンサル思考術 佐藤智恵 著
- 2.成功は全てコンセプトから始まる 木谷哲郎 著
- 3.7つの習慣 スティーブン・R・コヴィー 著
- 4.論点思考 内田和也 著
- 5.プロフェッショナルの条件 P F ドラッカー 著
- 6.なぜあなたの仕事は終わらないのか 中島聡 著
- 7.スパークする思考 右脳発想の独創力 内田和成 著
- 8.AI時代の超整理法 野口悠紀雄著
- 9.社長の超鉄則 小山昇 著
- 10.イッシューからはじめよ 安宅和人 著
- 11,思考の整理学 外山滋比古 著
- 12.伝え方が9割 佐々木 圭一
- 13,リクルートのすごい構想力 杉田浩章
- 14,売るための仕事術 吉越浩一郎
- 15,エッセンシャル思考 グレッグ・マキューン
- 16,実践版孫子の兵法 鈴木 博毅 著
- 17,戦略読書日記<本質を抉りだす思考のセンス> 楠木建 著
- 18 アメリカ型成功者の物語 野口悠紀雄 著
- あとがき
頭を刺激してくれる思考術の本 全18冊
ここに集めたのは単なる名作ではありません。
実際に読んでみて、常識程度の知識で理解でき、それでいて内容は多少高尚で刺激的。非常に参考になった本ばかりを選びました。
いらついている時に、眠くなってしまった頭を切り替えるために、やってもやって堂々巡りを繰り返している時に、チラ見してみましょう。
引き込まれて別次元の世界につれていってくれること請け合いです。
1.魔法のコンサル思考術 佐藤智恵 著
もし一流の経営コンサルタントが個人の悩みを解決するとしたら、どういうプロセスで考えを進めていくのだろうか…?
経営コンサルタントの書かれた思考術の本というと、財務分析からその改善手法を問うものだったり、流通チャネル戦略の練り直しや、人事改革を見直すものだったり、なんとも複雑な題材が多く、部外者には簡単に理解できないものが多いものです。
しかし、本書で取り扱う題材は、相続トラブルや、結婚問題、仕事の時間管理の問題など、身近な問題ばかりが取り上げられているので、非常にわかりやすく、腑に落ちるものばかりです。
しかも、それをロジックツリーや2x2マトリクス、シナリオ分析などプロのツールをつかって解決していくのですから、手法は斬新で、非常に参考になる部分が多いのです。
思考術の本で一つだけ選んだら、と言われたら、真っ先にこれをおすすめします。
2.成功は全てコンセプトから始まる 木谷哲郎 著
コンセプトってなんでしょう?
辞典を紐解くと「概念、企画などの全体を貫く基本の考え方…」とあります。いろんな会議やいろんな書籍や雑誌のなかでとかホントによく聞きます。
でも、これって必要なんだろうか?
かねてからそんな素朴な疑問を持っていました。
それが、本書を紐解いた動機。
答えは簡単!
仕事は一人では出来ないからです。
あなたがなにかいいアイデアを持っているとして、それを実現するためには、上層部や皆の納得を得なければなりません。それが、例えば食堂に電子レンジを置きたい、といった些細なことでもそうです。
そんな時に活躍してくれるのがコンセプト。
どんなコンセプトで電子レンジを置くのか、そのへんを巧みに提案していけば、不可能を可能に変えることさえできるのです。
そんなコンセプトを理解するのに最適な本がこの本。
初心者の方からプロまで、通用する内容になっています。
3.7つの習慣 スティーブン・R・コヴィー 著
永遠のベストセラー。
今更紹介するまでもないでしょう。
この本で一番感銘を受けたところ、何が役立つのか、どう活用できるのか、というのはこちらで解説させてもらいました。
読めば読むほど味が出る本。素晴らしいです。
人間として、ビジネスマンとして大きな気付きを与えてくれる本書を是非読んでみてください。
キングベアー出版 (2013-08-30T00:00:00.000Z)
4.論点思考 内田和也 著
例えば、あなたが「会社を辞めたい」と真剣に悩んでいるとします。
さて、これをどんな風に解決しますか?
会社を辞めることのメリットとデメリットをいきなり挙げて比較しますか?それとも信頼できる人に相談してから決めますか?
まあ、やり方はいろいろですが、この場合、まずは何で辞めようとしているのか、その理由を突き止めることが先決です。
そして、その問題が本当に会社を辞めることで解決する問題なのか、よく吟味することです。
仮に人間関係に嫌気がさして、という理由なら、会社を辞めても、どんな会社でも突き当たる問題ですから、辞めて解決できるとは到底思えません。
つまり、この場合、解くべき問題は、会社を辞めた方が良いかではなく、人間関係をどう解決するか、を問題として設定したほうがより現実的な解決策を見出せそうです。
ことほど、表にでてくる問題というのは、実は、本質を捉えていないことが多く、正しい問題に設定しなおす必要があるのです。
これを論点を設定する、と言います。
本書は経営コンサルタントが実践で出くわすような問題を抽出して、より具体的に論点設定のやり方について述べているのです。
論点設定を間違えたら、逆に間違った方向に会社は進んでしまい、取り返しできない自体に陥らないとも限りません。
一流の経営コンサルタントがどのように論点を設定し、思考を進めていくのかがわかり非常に参考になります。
もちろんそのエッセンスは、個人の仕事やプライベートの問題解決にも役立ちます。
5.プロフェッショナルの条件 P F ドラッカー 著
ユニクロの柳井会長は、常にドラッカーの著作を読み返しては、それを経営に役立ているといいます。
「叔父さんの言葉を聞いているようだ」と言いますから、その親密度が分かります。
(NHK 仕事学のすすめより)
と聞けば、ドラッカーの書いた書籍って即効性に溢れた実用書とばかり思ったらとんでもない。
元大学教授だけあって、非常に抽象的で引用もわかりにくく、とっつきにくい本もかなりあるのです。
僕が最初に読んだのは「マネジメント」という本でしたが、抽象的で、専門用語満載。完読はしたものの、中身はさっぱり理解できませんでした。
ことほど彼の著作はわかりにくい本が多いのですが(個人の感想です)、随一、非常にスラスラと頭に入った本があって、
それが
ご紹介する「プロフェッショナルの条件」です。
古くはルネッサンスの経済から始まり、ポスト資本主義の発展経緯や、テーラーの実験がどのような経緯で実業界に取り入れられていったのか、
経営学の発展経緯がこと細やかに、しかし、非常にジャーナリスティックに述べられているではないですか。
そうです。彼は経営コンサルタントであり、かつジャーナリストでもあり、大学教授でもあるのです。そのジャーナリストとしての彼の側面が、非常に色濃く表現できているのが本書ではないかと思っています。
テーマは、
いかに効率的に、それも組織的に「結果を出すか」。
企業や生産性を考えるにはもってこいの本だと思います。
ダイヤモンド社 (2000-06-29T00:00:00.000Z)
6.なぜあなたの仕事は終わらないのか 中島聡 著
仕事が終わらない悩みは尽きません。
終わっても終わっても、どんどん湧いてきます。特に管理職ともなると、自分だけでは処理しきれない仕事も降り掛かってきますから、それを部下に割り振りして、全体が効率的に終わるように手配をしなければなりません。毎日がまさに格闘で、悩みは尽きないのではないでしょうか。
さて、そんな悩みを一気に解決できる方法があるとしたら、どうでしょうか?
それが本書です。
著者は元マイクロソフトでプログラマーを務め、Windows95やInternet Explorerの開発に携わったという伝説の人、中島聡氏。
プログラマーは一人では開発できません。いろいろな人、組織を束ねながら進めていく必要がありますから、そのへんのノウハウは豊富です。
読めば、なるほどそういう考え方があるのか、と参考になることでしょう。
それがどんなものかは、本書を是非読んでほしいのですが、仕事を効率的に終わる方法で悩んでいいるのであれば、本書は貴重なヒントを与えてくれるでしょう。
仕事がさばけず悩んでいるビジネスマン。良い企画が生み出せずに失敗続きのプランナーの方などにおすすめです。
文響社 (2016-06-01T00:00:00.000Z)
7.スパークする思考 右脳発想の独創力 内田和成 著
あの「論点思考」や「仮設思考」を書いた、ボストン・コンサルティング・グループ シニア・アドバイザーで大学教授の内田和成氏が書かれたアイデア発想法の本。
思考術ではなくアイデア発想術を経営コンサルタントが書かれているのが興味深い。
しかし、その内容は空論ではなく、実際の現場で蓄えられた確かなもの。
情報をどう取捨選択しそれをどうアイデアに結びつけているのか。仮設思考と論点思考との接点はどうなのか。
非常に斬新で、ためになる内容です。やり方も独創的。
平易な解説なので、社会人初心者からベテランまで十分役立つ内容になっています。
この本があれば、他のアイデア発想の本は不要だと思います。
KADOKAWA (2015-02-10T00:00:00.000Z)
8.AI時代の超整理法 野口悠紀雄著
「押し出しファイリング」って言う整理法があります。
A4封筒に目の前の書類を放り込み、棚に並べます。そして、使った都度右側に移動して行き、そうすると、自然に使わない書類は左側に溜まっていきますから、随時左から廃棄していく。
そんな至極大雑把で簡単すぎる整理法が、この押し出しファイリングで、僕はもう10年以上まえから取り入れています。
野口悠紀雄氏がそのやり方を「超整理法」という本の中で紹介し、ベストセラーになりました。
かれこれ20年以上前の話です。
その本が、デジタル時代真っ只中の現代にリニューアルされて登場です。
内容は、まさに目からウロコの内容。
全てを真似する必要はありませんが、デジタル情報をいかに収集し、整理していくかを述べた本書は、新しい時代の整理法として一度は目を通しておきたいものです。
KADOKAWA (2019-06-29T00:00:00.000Z)
9.社長の超鉄則 小山昇 著
思考術をどんなに学んでも、それを実践で活かすとなるとまたちがってきます。
なぜなら、仕事は組織で動いているから。
組織をどうやって動かすのか、どんな仕組みなのかの考察をおろそかにすると結果は生まれません。
本書は、会社の経営者、かつ経営コンサルタントとして活躍している著者が、実際に組織をどう運営していくか、社長のあり方、あるいは社員の動かし方など、実践にそくして解説されています。
その内容は、斬新で面白く、言葉も歯切れがいい。
ビジネスマンには非常に参考になる内容です。
10.イッシューからはじめよ 安宅和人 著
著者は有名なコンサルティング・ファーム、マッキンゼーで、新人の教育係となり問題解決や、チャートの書き方まで教えていた伝説の人らしい。
なので、この本を読めば、経営コンサルタントがどのように考え、仕事をしているのかがよーくわかります。
博士号をとったという脳神経科学の歴史的エピソードが、随所に散りばめられていて、ちょっと分かりにくいところも多いのですが、エッセンスは非常に貴重。思考術として示唆に富んでいます。
内田和成氏の「論点思考」と被っているところもありますが、特筆すべきは、論点設定にとどまらず、一つの企業案件を受けてから、最終的なプレゼンの資料にどうやって落とし込んでいくかまで、一気通貫で解説してくれている点が非常にユニークです。
価値のある仕事をしたい、と悩んでいる中堅以上の方におすすめの本です。
英治出版 (2010-11-24T00:00:00.000Z)
11,思考の整理学 外山滋比古 著
30年以上前に書かれた発想法の古典。
ノウハウ本ではなく、エッセイ集のような形式をとってはいますが、読めばやってみたくなるようなノウハウで溢れています。
どのようにノートを記入しながら思考を詰めていくのか、アイデアを生み出していくのか、非常に具体的。
古典ではあるものの、今読み返しても十分役に立つ内容になっています。
12.伝え方が9割 佐々木 圭一
「ノーをイエスにする伝え方の技術」。
これがこの本のキャッチコピー。
著者は有名なコピーライターのようですが、
コピーの作り方ではなく、そんな末恐ろしいテクニックを教えてくれるのだというのだからびっくりです。
例えば、好きな人に告白するのに
「デートしてください」とストレートに言えば、おそらくノーと言われるでしょうが、「驚くほど上手いパスタの店があるんだけど、行かない!」こういうとイエスになる可能性が高くなります。
非常に単純な例ですが、
これが伝え方のテクニック。なるほど。
単なるエッセイではなく、ノウハウ本として理論を語っている点が素晴らしい。
プライベートはもちろん、ビジネスにも、応用が可能なテクニック満載の本です。
ダイヤモンド社 (2013-02-28T00:00:00.000Z)
13,リクルートのすごい構想力 杉田浩章
リクルートといえば、有能な起業家を多数排出している企業として超有名。
そのほとんどの方がリクルートの社内で新規事業の立ち上げを経験し、それを生かして独立を果たしているようです。
そんな新規事業の企画から立ち上げまでの流れが解説されたのが本書で、どんな内容なのか俄然興味がわきます。なんせ、本書をよめば、あなたもひょっとすると起業できるかもしれませんから。
著者は経営コンサルタントとして、十数年リクルートと関わってきた経験を元に本書を書かれているので、説得力があり、単なるリクルート社員が語るよりも奥行きがあるように思われます。
起業に興味があるかた、企画部門のかたなどおすすめです。
日経BP (2017-05-25T00:00:00.000Z)
14,売るための仕事術 吉越浩一郎
元トリンプ・インターナショナル・ジャパンの社長を長年務められ、19年連続で増収増益を達成した著者がつづる経営学。
現場で実践されたノウハウですから、即役立つ内容です。
優秀な経営者が何を考え、どう実践にうつしていったのか。それを知ることは、非常に有意義。
初心者から経営者まで役立つ内容です。
15,エッセンシャル思考 グレッグ・マキューン
世の中の大半のものはノイズである。
本書で一番シビれたフレーズがこれ。
世の中に溢れている情報のほとんどはゴミ。新聞しかり雑誌もそうだし、テレビやネットもそう。価値ある情報というのは、じつは殆どない。
だから、全てに反応するのではなく、本質的なものを選択して考えを巡らさないと、無駄な労力を費やしてしまいかねない。それどころか、結論が出ないこともありうる。
そんな警鐘を鳴らしてくれるのが本書です。
著者はシリコンバレーのコンサルタント会社のCEO。情報についての考え方について特に考えさせられる内容になっています。
かんき出版 (2014-11-17T00:00:00.000Z)
16,実践版孫子の兵法 鈴木 博毅 著
世界最古の兵法書といえば「孫子の兵法」。
その理論は未だに軍事戦略の指針として十分役立つと言います。
だから、当然ビジネスに応用しようとするひともたくさんいるわけですが、そんな人々の期待に答えてくれるのが本書。
単に現代語に翻訳するのではなく、超訳により、現代人にも応用できるような言葉に置き換えられていて、現代のビジネスの例を交えて解説されているので読みやすくスラスラと頭にはいります。
キーワードはビジネス、経営、戦略、勝ち負け。そんな言葉になるでしょうか。引き継がれている古典書ですから、誰が読んでも、何らかの教えが得られるでしょう。
ビジネスマン中堅から経営者まで、おすすめできる本です。
プレジデント社 (2014-10-17T00:00:00.000Z)
17,戦略読書日記<本質を抉りだす思考のセンス> 楠木建 著
「ストーリーとしての競争戦略」で有名な一橋大学の楠木建教授が書いた読書日記。
たんなる読書録ではありません。専門である競争戦略論を交えて、日々乱読のなかで読んだ本をバッサリ切っていくという、斬新なコンセプトの元に本書は書かれています。
ですから、競争と戦略、そして経営について、氏がどういう視点で物事を考えているのか、その本質が垣間見える読み物になっています。
戦略ストーリーという彼の独自の論理の内容はおぼろげながら分かる程度ですが、それとは別に洒脱でそのユニークな語り口は、エッセイのうよな味わいのある書物となっています。
18 アメリカ型成功者の物語 野口悠紀雄 著
ゴールドラッシュからGoogleまで、アメリカの成功者達がどのように発展してきて、どのような構造になっているのか、時代背景と、さまざまなエピソードを交えて解説されている本。
古い本ですが、今でも十分刺激される内容です。
著者は、あの「超整理法」を書かれた野口先生なのですよ。いや、さすが良い本書かれます。
なぜか、この手の本を読むと、頭が刺激されます。日本ではマイナーなアメリカの側面がたくさんか書かれてあるので、興味を持ちながら、づっと読み続けることができます。
やはり著者の解説が秀逸というのもその要因でしょうか。
暇な時にザクッと読むと新鮮な空気をもらった気分になります。
新潮社 (2009-04-25T00:00:01Z)
あとがき

ざっと大まかな内容を解説付きでご紹介してみました。
並び順に特に意図はありません。
思いついた順に並べているだけですから、どうぞお気になさらずに。
サクッと単純に読みすすめる内容の本から、ちょっと高尚な本までさまざまですが、どれも読み物としてはサイコーですから、適当に手にとってお読みください。
行き詰まった思考の管が掃除されて、リフレッシュできると思います!