石原慎太郎氏がお亡くなりました。
もう、僕らおじさんの世代でも、ほんと伝説の人で、これほど著名な政治家もいないのではないかと思うくらいです。
とくに都知事になってからの活躍はめざましく、
尖閣の島を買おういうはなしや、新しい銀行や東京マラソンを立ち上げたり、はては東京オリンピックの誘致活動など、その活動はもうご存知のかたも多いと思います。
日本の政治に良い意味でも悪い意味でも揺さぶりをかけた大御所的な存在だったのだと思います(たぶん賛否あると思う)。
ですが、彼が僕らに残したものはこれだけではありません。
こういうドラマをご存知でしょうか。
昭和生まれの方なら、
ほとんど一度はみたことがあるのではないでしょうか。
僕も小さいころ、よく見ていた(もちろん再放送ですが)青春ドラマ。
「青春とはなんだ」
これ、実は原案が石原慎太郎氏の小説によるもので、彼もこのドラマ作りに大きく関わったと聞きます(僕も今まで知らなかった…)。
これがその小説。
タイトルもまったく同じです。
実は、つい一ヶ月ほど前にこの小説を読んでいました。
内容は、まあ彼には怒られるかもしれないけど、それほど良いとは思はないけど、でも確かに終戦後まもなくのこの時代の高校生たちの姿をよく捉えていると思います。
そして、このドラマの主題歌のこの歌声、すごい張りがある凄い声だなと思いませんか。
よく見てみるとなんと布施明さんではないですか。
君はバラより美しいとか、希望とか、そんな歌声はしっていたけど、こんな歌を歌っていたとかは知りませんでした。
さらに、この曲、作詞が大御所岩屋時子さんに、作曲がいずみたくさん。
著名な小説家に大御所の二人の作詞家や作曲家、それに有望新人歌手を登場させるあたり、テレビ局がいかにこのドラマに力を入れていたかが分かると思います。
そして、このテレビドラマが端を発して、青春ドラマがテレビ局でシリーズ化となり長く放送が継続されるのです。
村野 武範、中村雅俊、竜雷太など 昭和生まれの僕にはホント懐かしい顔ぶれです。
そのおかげで学園ドラマが中学、高校時代の青春のすべてだったような記憶すらありますし、恋愛や受験、あるいは就職、友人、といった青春時代に出くわすさまざまな難題に立ち向かう勇気を与えてくれたように思えます。
そういう意味で、僕らの世代に与えた影響というのははかり知れないものがあったのではないでしょうか。
都知事の定例会見などで、口うるさいじいさんの印象が残る石原氏ですが、
それだけではなく、日本の文化に多大な貢献をされたのが、彼の姿だと思います。
自分でも言われているようですが、原点はあくまで作家で、芸術家で、それが証拠に芥川賞の選考委員を長らく務められています。
いまさら、僕がここで言うのもなんですが。
この戦後日本の復興のなかで、彼の果たした文化的役割は本当におおきかったのだとつくづく思います。
また、偉大な才能をもった人が去っていったのは非常に残念です。
ご冥福を祈りたいと思います。