こんな本を読んでみた!

【ブックレビュー】「一人PDCA」は可能なのか? 「鬼速PDCA」 を読んでみた。

 

PDCAをなんとか目標達成のためのツールとして取り入れてみたい!

現状打破の決め手となるように使いたい!

そんな願いから僕は以前こんな本<儲ける社長のPDCAのまわし方>を読んでいました。

 

【書評】「儲ける社長のPDCAのまわし方」小山 昇著 〜答えの無い問題にどう取り組むか〜 儲ける社長のPDCAのまわし方 posted with amazlet at 15.08.25 ...

 

記事で取り上げたとおり、非常に実践的な良書だと感じました。

これなら直ぐにでも使えそうだ。

今でもそう思っています。

 

ですが、あれから半年。

ふたを開けてみると何も実践出来ていない自分に気づくのでした(^^;)

書いてあることは素晴らしいし、納得はできます。

でも、実践はできない。

なぜなんだろう?

 

考えてみると、

思い当たるのは本書は「企業内でのPDCA』を想定して書かれてあるからではないかと気づきました。
社長がいて部長、課長がいて末端の社員がいて、第三者でチェックできる体制を作って、その中でどうPDCAを回していくのかを説いたのが本書なのです。
ですから、個人一人で実践しようとするとうまくいかない。チェックする人と行動する人が同じなわけですから。

 

一人PDCAなんて所詮無理なのでは…。

 

そう思っていたところに最近になり
立て続けにPDCAの本が数冊発売になりました。

そのなかで目立っていたのが

この本。

 

鬼速PDCA

鬼速PDCA

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クロスメディア・パブリッシング(インプレス) (2016-10-24)
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著者は野村證券で入社当時からPDCAを回し続け、営業で優れた業績を残したという切れ者の営業マン。まさに一人PDCAのパイオニアのような方でした。

「鬼速』ってタイトルもすごみを感じます。
果たして本書で一人PDCAを実践できるのでしょうか。

 

鬼速PDCAの中身とは?

 

では、早速本書の中身についてざっと触れてみましょう。

 

P: 計画 D: 実行 C: 検証 A: 調整

 

このPDCAのフレームワークの大きな流れは他の本とほぼ同じです。若干違うのは最後の「A:調整」。普通はここは「改善』と定義される場合が多いらしいのですが、著者はより現実に沿わせるために「調整』としたそうです。まあ、
個人的にはこのへんはどうでもよろしい。

 

特に本書を読んで気になった点は4つ。

 1,あらゆる情報を計数化すること

 

例えば、出世したい。モテたい、名を残したいといったゴールは、すべて欲求であり思いである。しかし、ゴールを定性的な状態のまま据えると自分の成長度合いや進捗具合が確認しづらくなる。その結果、PDCAの精度が甘くなる。  だから本来は定性的な目標であっても、それを数値化し、具体的に把握しやすい状態に置き換える必要がある 。
> 662  (キンドル電子書籍のため行番号で表示)

例えば、部下とのコミュニケーションで悩んでいるなら、部下と親しく会話した回数を毎日チェックするとか、あるいは、営業で受け付け嬢を攻略したいなら、受け付け嬢と個人的な会話をした回数をデータとして保有してそれを1つの進捗状況の把握データとして蓄積して活用するとか。

普通であれば、個人的な親密度合いはなかなか数値化できませんが、それを無理にでも数値化させる。そういったことです。

 

2,ギャップを埋める課題を考える

 

ゴールと現状のギャップが見えたら、そのギャップを埋めるための課題を考える.714

特徴の2つ目。
「P(計画)」作りはまずは到達地点を設定し、現状を分析しつつそのギャップを洗い出し、そのギャップをどうやったら埋めることができるのか、課題化することです。
到着点を決めるのは当然ですが、「課題化」と明確に唄っているところが僕には斬新に思えます。
それは論点思考に書いてある思考にも通じるもので、著者は同時にPDCAのプラン作りは仮説を検証するプロセスとも言っています。

 

3.3つの計数 KGI KPI KDIで管理する。

 

課題が絞り込まれたら、次はそれらの課題を数値化していく。  みなさんご存知のKPI(Key Performance Indicator)、つまり結果目標である。ゴールの定量化と同じで、検証フェーズで客観的に進捗状況を把握するためのものであり、ゴールに近づくための「サブゴール」のことだと思えばいい
> 804

PDCAを回していく中で著者が使う計数は3つ。

・KGI 最終ゴールの達成率
・KPI 課題の達成率
・KDI 行動計画の達成率

この数値を振り返りながらPDCAを回す訳です。
先ほど触れたとおり、あらゆるモノは計数として把握すべきなので、
異論はありませんが、3つを管理していくのは実際どうなんでしょうか。

かなり大変です。

 

4.半週ミーティング PDCAは速く回す

 

当社の鬼速ぶりを象徴するのはなんといっても独自の「半週ミーティング」だろう。3日に1回開かれる課題解決のための定例チーム会議のことで…2207

PDCAを速く回せ、ということです。
一般の会社の定例ミーティングは週1回。そこを3日に1回とすることで、サイクルを早め、対応策で悩んでいる部員の悩みをオープンにし、参加者の知見をあつめて即断で答えを出してやる。

それでPDCA進捗時に発生する「詰まり(悩みがあり進捗が止まる)』を取り除くことができるというのです。

 

鬼速PDCAを読んでの感想

 

もちろん、本書に書いてあることはこの4つだけではありません。

仮説を作るために因数分解せよ、とか。そのやり方、分解のコツ。あるいは無駄な時間を費やさないための方策とか、いろいろと精緻に書かれています。
非常に参考になります。

でも、

「PDCA大全」と言った感じで、網羅的にいろんなことが書かれているので、逆に実行に移すには敷居が高すぎると感じました。(著者のかたすいません)

複雑過ぎるのです。

むしろ参考書として割り切ってアレンジすることで何とかなるのでは思うのです。すべてはこの本に書いてあるのですから、どこを取り上げてどこを切り捨てようと読者の勝手です。

 

 僕の考える一人PDCA

というわけで、アレンジをどうするのか、考えてみました。

先ほど書いたように一人PDCAの最大の弱点は計画を立てて行動してチェックする人がすべて同じなことです。
それにはもちろん、鬼速の著者の言うようにすべての計数を数値化するのが1番良いのでしょうが、残念ながらどう考えても中途半端にしか数値化できない目標というのは存在します。
それに毎日となると計数管理はまったく苦手で続かないに決まっています。KGI,KPI,KDIの3つも計数管理するのはズボラな僕には土台無理でしょう。
一人ですから、モチベーションが上がったり下がったりで、維持するのも大変ですから、その辺を考慮する必要もあります。

で、
考えたのが

 

・仮説をまずは正式に紙に書くこと

・日誌を付けること

 

この2つでした。

なーんだとお思いでしょうか?
でもね。
まず、自分の今までの行動の振り返りをしてみて気づいたのは、仮説を立ててもそれを正式に紙に書いたことがなかったという事実でした。

ちょっと分かりにくいと思いますが。
A4の紙に落書きをしながら仮説を書けたとは思いますが、正式に人に見せる形で紙に落としたことがなかった、ということです。いや、仮説なので、書けたものは常にモノ足りないと思うのがほとんどですから、
落書き段階で終わっていて、ちゃんとまとめてなかったのです。なにせ一人ですから何もまとめる必要ないじゃないですか。

だから、とにかくまずは仮説を考え、計画(P)を正式に紙に落とすことから始めようと思いました。その際、計数化ができるのであれば極力それを追いかけるようにスケジューリングしますが、無ければそれでも良い。また、計画には「次回の振り返り日』という項目を加えて、スケジューリング化するようにしました。

そして、それを捕捉するのが日誌です。
毎日、なんでも良い。PDCAに関する何かを書く。計数だけでも良いし、現実と向き合って自分で立てた仮説をどう思ったか、どこに問題があると思うのか。日誌として記録に残すことで、次回の振り返り日のときの材料を残そうと考えたのです。

 

最後に

 

ま、とりとめもない話になりましたが、結局のところ2冊のPDCAを読んで僕が下した決断は、
自分で考えろ。
ということでした。

理論はすべて本書で学べます。応用編としては「儲ける社長のPDCAの回し方』も参考になります。
後は、自分で考えて、継続するしかないのだと思います。

 

僕の考えた一人PDCA。

実行してみて、使えるPDCAになったと思ったら、また記事にしてみたいと思います。

では。

 

 

鬼速PDCA

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