なぜ、あなたの仕事は終わらないのか スピードは最強の武器である
文響社
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著者は米国のマイクロソフト本社であのWindows95の開発に関わったプログラマーというから、そうとうな逸物です。
パソコンのそれこそ黎明期の話ですから、雲の上のような存在じゃないですか。そんな伝説の怪物が書いた「仕事術」。
最初は、プログラマーの仕事術?
ちょっと自分とは違うかな-。と思ったのですが、読み進めるうち、どんな仕事、営業でも企画でも、どこでも応用できる仕事術だとわかりました。
それが彼の提唱する「ロケット・スタート時間術」です。
どういうものか?
2割の時間を使って8割までの仕事をやり上げてしまう。
ザックリいうとそういうことになります。
パレートの法則、20:80の法則を応用した仕事術です。
この1日の最初の2時間半で、一日のメインの仕事の8割を終わらせるようにするということです。2:8の法則は1日の中でも当てはまるのです。10日間の仕事を最初の2日で8割終わらせるのと同様に、1日ごとに割り振った仕事も最初の2時間半で8割終わらせるのです。
P174
パレートの法則と違うのは出発地点の「出っぱなの2割」に集中すること。
どの時点もいいというのではなく、最初の2割の時間で仕事の8割をやり上げてしまう。ザックリと…
ということです。
『プログラムに限らず、たいていの仕事の全体図は実際にやってみないと描けません。企画書と言う紙のうえだけで考えても大体思った通りになる事は無いのです。みなさんもそういう経験がおありだと思います。
ですからプロトタイプの作成に速やかに入り、ある程度まで作った上で、どのくらいの大移動かを考えつつ仕事を進めていくのが賢いやり方です。』
67p
このへんに彼の考え方のすべてが言い表されています。
例えば仕事で企画書を書く場合、普通ならば、良いアイデアを集めてから、一気に書こう、と思いがちです。情報がなければ書けない。アイデアがなければ書けない。そう思っているので、必然的に先送りのような形で後に後にと先延ばしして書くことになってしまうわけです。
でも、筆者は「違う」というんです。
明日までにやり上げなければならない仕事が入った場合。今日、使える時間が3時間。
明日が5時間だとしたら合計8時間の2割、8時間×20% =1.6時間
これがスタートダッシュの許容時間。
つまり、今日中に「ザックリと終わってしまい、余韻を残して終わるくらいでないとダメだ」ということ。
そんなこと出来ますか?
難しそう。
でも、仕事が出来る人はやっているんですよ。たぶん。
仮説思考っていう考え方があります。
「物事を答えから考えること」なのですが。
経営コンサルタントは課題に取り組む場合、クライアントの業界紙を徹底的に短時間で読み込み、最初に答えをイメージしてから役員や従業員のインタビューに取りかかるそうです。
BCGやマッキンゼーなどの元コンサルタントが書いている考え方の本には定番ででてくるやりかたです。
ロケットスタート時間術は、おそらくこれと同じことをいっているのだと思います。言い方、ニュアンスは違いますが、根は一緒。
要領よく仕事をこなしている人のやり方は同じなのかもしれません。
『何度も言いますが、ラストスパートこそ諸悪の根源です。このことを絶対に忘れないでください。』
ページ184
なるほど。
徹夜のやっつけ仕事じゃダメなんです。(反省)
最後に
著者の主張に共感したので、僕自身もいま、実践しています。
やはり、でも、難しい。
できないことの連続です。できないことばかりなのでいい加減嫌になりますが、
でも、これを続けることで身につくのだと思います。
興味を持った方、仕事で悩んでいる方は是非、購入して全文を読んで下さい。なんらかの収穫があると思います。
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