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先日、51歳という若さで亡くなった竹田圭吾さんが書かれた本。
あの鋭いコメントがどういった考え方を元に発信されていたのか興味を持ったので読んでみました。
そのパワーは一言でいうと、
グローバルな視点で考えていた。
ということ。
NewsWeek日本語版の編集長を長く経験したことで、自然に複眼的な思考ができるようになったと自ら言っておられます。
外国の知識人を人脈にもつこと、外国から日本を見る機会を得たこと、が非常に影響が大きかったのです。
コメントの際の基本
意識していたのは「何を言わないか」ということ。
これはできるかぎり言わないようにしよう、と意識しているのは「代案なき批判」「極端な悲観論」「未来すぎる提言」「原則論」の4つです。
詳しい情報を持っていない人々の立場を代弁して、批判スべきところがあれば批判し、制度や組織の制約を考慮したうえで、できるだけ現実性のある代案や対案を出すことだと私は思っています。
P155原理原則は重要です。しかし、現実の社会で起きる問題の多くは一つだけのものさしでははかれません。だからこそ選択肢を比べて考えることが大切なのに、そこで原則を振りかざしたらどうなるでしょうか。誰もなにもいえなくなってしまいます。
P159
どっかの野党ではありませんが、批判のための批判はしない。代案を意識して発言するという姿勢は非常に共感できます。
参考になるのは彼の情報収集術
独自の情報収集についての考え方を披露されています。
それが独特で勉強になります。
しかし情報は、探すことや取り出すことが目的ではありません。一つひとつの情報を個別に活用することでもありません。いくつもの情報を組み合わせて、そこに意味を読み取ることが目的であり、それをうまくこなすことが「情報力」です。 情報を整理しないのは、整理すると、情報を組み合わせて意味を読み取るために必要なコンテクストが失われてしまうからです。
P16
全体像でみるためには、全体となるもののスケールを把握しておく必要があります。私の場合、仕事では森羅万象のニュースを扱うので、さまざまなニュースについての「いちばん基本的な数字」をおおざっぱに頭に入れておくようにしています。いちばん基本的な数字とは、日本や世界の政治・経済の動き、社会や国土の成り立ちに関する数字です
P24
彼は情報は整理しない、と言っています。
普通は情報はいつでも取り出しできるように備えておくもの、ということが言われるものですが、正反対の意見。
面白い。
最後に
本書は情報収集術、情報の評価のやり方、の解説書、
として捉えると非常に参考になるのでお勧めできます。ぜひ手にとって読んでみてください。
日本で有数の信頼できるコメンテーターの一人だと僕は思っていたので非常に残念です。
ご冥福をお祈りしたいと思います。