この本を知ったのはAmazon Primeを使って読んだ「戦略読書日記<本質を抉りだす思考のセンス> 楠木 建著」という本で紹介されていたから。
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情報整理術に関しては「これだけあれば他はいらない」と太鼓判を押されていました。
かいつまんで説明されていた本の要約がこちらです。
: 795
情報は整理するな、覚えるな
情報は無理に集めるな 思いだせない情報はたいした情報じゃない
時が情報を熟成させる
脳にレ点を打つ方
この「脳にレ点を打つ」
という言葉になんとなく興味を持ちました。
一体これってどういうことなのだろう?本書によると、頭の中でレ点をつければ良いとある。なんだろうこれ。「エイっ」と思うってことだろうか?
でも、そんな簡単な行為だけで情報整理ができるかどうかは甚だ疑わしい。
内田先生の本なら「仮説思考」とか「論点思考」とかで馴染みがある。あの先生がどんな整理術を書いたのか興味があるじゃないですか!
早速Kindleで、手にとって見たのです(なぜか書店には置いてなかった)。
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情報整理術のコツとは
内田先生(早稲田大学教授)の説明ではポイントは3つ(あくまで僕の解釈)。
1.アナログに徹する
■ : 350 アナログに情報を集め、しかも集めた情報は「整理するな」、そして「覚えるな」、それが、私がたどり着いた結論だ
■ : 354 自分だけの情報にこそ、価値がある。
■ : 370 より重要なのはこうした一次情報だ。それも、自分だけが知ることができた、気づくことができた情報や知見であれば、ますます貴重なことは言うまでもない。
元来が経営コンサルタントである先生にとって、欲しい情報というのはコメント力・切り込み力のヒントになる情報。凡庸な話ではクライアントの社長や担当重役に馬鹿にされる。ちょっと気の利いた、捻った情報、深い意味をもった、「あ、そうか」と思われるような情報を提供したい。それこそが、著者の欲しい情報ではなかったか。
そのためには、自分だけが知り得た情報でなければ、手落ちになる。「あ、君、それ読んだよ。知っているよ」と思われては元もこもない。
一次情報、というやつです。
まだ、誰も知らない自分だけの情報。
であるならば、当然のこと、デジタル情報であるはずがなく、汗と努力と筋肉と、暑さ寒さにヘトヘトになって体験したアナログ情報のはずなのです。
こんな言葉もある。
■ : 937 デジタルツールを活用して情報を収集したり、加工したり、あるいは発信する部分は部下やスタッフに任せ、自分はアナログにこだわり、差別化された情報を集め、ユニークなアイデアをひねり出し、類まれなプレゼンテーションを行うなどという場合も多い
デジタル情報の収集は、いまは誰もがやっていること。いろんなデジタルサービスがこれだけ普及しているわけですから……。だから、そんなもの人にやらせれば良い。自分でやる必要なんてサラサラないのです!
敢えてアナログにこだわる、人のやらないことをやる。それが本質。
2,問題意識を持つ
■ : 592 ただ、問題意識を持って、興味を持って現象に出会い、情報として見聞する。 その上で、必要な情報などに頭の中だけのチェックをつける。 コンピュータでいうところのインデクシングをするわけである。ここでいうところのインデクシングとはインデックスすなわち見出しあるいは索引を付けることを言う。レ点を打つと覚えてもらえればいい
例の「レ点を打つ」ってことのヒントがここに書いてある。
問題意識を持って情報に接すること、コレなのだと思いました。
「何だこれおかしいな?辻褄が合わないぞ!」
「どうしてこれがヒットするんだ?」
そんなちょっとした違和感。疑問。驚き。小さな気づきをそっとしまっておく。いや、しまうだけでなくいつも問い続けていく姿勢。それこそがレ点を打つという行為ではないか。
■ : 1,317 繰り返すが、チェックすることが重要だ。頭の中でレ点を打つ。後で調べようと思う。意識する。タイトルを考える。 あるいは活字媒体であれば、書き込んだり、切り抜いたりする行為自体が大事なのだ。そのことで、インデックスができて、頭の中でその情報をチェックすることができるからだ
問題意識を持たない情報なら、後で調べようとか、書き込もうとか、人に聞いたりすることは無いでしょう。「違和感」を大事にすること。そうすることで、自分の中に何ものかが住み着き、いろんな情報を引き寄せてくれるのではないでしょうか。
3,情報の整理に時間をかけない
■ : 335 何が一番の問題かというと、たとえばカードに記入するのに一所懸命になってしまう、あるいはスキャンしたり、テキストを打ち込んだりと、入力作業に時間を取られてしまう。それでいて、そこで蓄え、分類した情報を活用したかというと、あまり活用した記憶がない。つまり、インプットに一〇の労力を使っても、アウトプットにはそのうちの一とか二しか、活かせない。その割合が悪すぎたのだ
■ : 339 つまり、情報の収集と整理で手一杯になってしまっていて、肝心の情報の活用がほとんどできていなかった。まさに本末転倒なわけで、情報を活用したいのに、情報に翻弄されてしまっていたのだ
このブログでも何回か書いてますが、実は情報の殆どはゴミ、役に立たないものばかりなのですよ。役に立つ情報というのは1割もない。
それは、この本に詳しい。
そもそもそんな性質のものなのですから、時間をかけるのは非効率。時間をかけない方法を選択せよ!これが先生の主張です。
まとめ
ってことで、本書から得られたものを一言で言い表すならば、
「アナログに徹せよ!」
これです。
デジタル情報をいかに集めたところで、それは二番煎じであって、なんらクリエイティブなものの素材とはなりえない。何かを生み出そうとするならば、アナログの一次情報を集めなければ意味がない!こんなことを学びました。
最後に、この記事に書いたものは僕が勝手に解釈してマルめたものです。ですので、微妙に違っている可能性もありますので、そこはご了承ください。
興味をお持ちになられたら是非、本物をお読みいただいて理解を深めていただけたらと思います。シンプルで読みやすい書物ですよ。
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