こんな本を読んでみた!

”世の中の大半のものはノイズである” 「エッセンシャル思考 最少の時間で成果を最大にする(著者 グレッグ・マキューン)」を読む!!

巷で人気のこの本。

最近になり、よく書店の売り場に平積みにおいてあるのが目につくようになってきました。

 

エッセンシャル思考 最少の時間で成果を最大にする
グレッグ マキューン
かんき出版
売り上げランキング: 810

 

僕は数ヶ月まえに読んではいたのですが、その当時はピンと来ず。最近のブームに便乗して再読してみて、やっとその面白さに気づいたという次第。

やはり、ベストセラーにはそれなりに理由があるんですね。

で、今回、なるほど、と僕が思ったところを3つだけあげて
この本を紹介してみることにしました。

どんな本なの?

一言で言うと
”最少の時間で最大の効果を”上げるための本ということになります。
(書籍のサブタイトルですから間違いありません)

 

寝る間をおしんで仕事一辺倒の生活をしている方、要注意です!

それを当たり前のように思っていませんか?
もっと違う仕事のやり方があってもおかしくないとは思いませんか?

本書は、そんな旧来のやり方に疑問を持った方のために数々のヒントを与えてくれます。

思い込み

エッセンシャル思考になるためには、3つの思い込みを克服しなくてはならない。
やらなくては、どれも大事、全部できる、この3つのセリフが、まるで伝説の幼女のように、人を非エッセンシャル思考の罠へと巧みに誘う。
うっかり耳を傾けようものなら、不要な物事の海に溺れることになる。
P14

ありがちなのが、全部を自分でしなければ……と言う想い!

サラリーマンの利点は組織を活かすことなのに、遮二無二一人で抱え込んでしまう。組織を活用しようとしない人が多い。

「自分だけの力を認めてもらいたいから」「他人に頼むと余計に時間がかかってしまうから」
本人はそう言い訳するのだけれど、現実は違う。組織をうまく利用した人が勝つし、またそういう人が出世する。

サラリーマンでなくても、ついつい一人で抱え込む人も多い。外注に頼むとか、パートを雇うとかいろんな考え方もあるのに。

いずれにせよ

目が回るほど忙しく働いている人は一度立ち止まって考えるべきだと思う。

全部やる必要はないって。

ノイズ

エッセンシャル思考とは何か
まず、essential思考の基礎となる3つの考え方を紹介する。エッセンシャル思考を身に付けるには、これらの基本を理解することが不可欠だ。

1:選択
私たちは、時間とエネルギーの使い道を選ぶことができる。だからこそ、トレードオフを引き受けることも必要になる。
2 :ノイズ
世の中の大半のものはノイズである。本当に重要なものはほとんどない。だから、何が重要かを正しく見極めなくてはならない。
3:トレードオフ
すべてを手に入れることはできない。何もかもやるなんて不可能だ。何かを選ぶことは、すなわち何かをしていること。どうやって全部終わらせようかと考えるのやめて、どの問題が一番重要かと考えよう。
p40

 

「世の中の大半のものはノイズである」

この言葉、しびれました!
まさに僕が悩んでいたことに対する答えそのものだったからです。

仕事がらいろなことを考え、アイデアを出さなければいけないのですが、
・どうやったらヒントを効率良く集められるのか?

・集めた情報をどう集約していくのか?

・情報をどう言葉としてまとめていくのか?

未だにこんなことを悩んでいます。

あまりにも情報が多いからです。
いろんな情報を収集し、そこからいろんなひらめきをメモとして書き散らしていくと、いちおうアイデアらしきものは出てくるのです。メモにかく。ノートに書く。A4用紙に書き散らす。たくさんのガラクタはできてくるんです。

問題はここから。

その沢山の落書きやガラクタから使い物になるアイデア、キーワードを抜き出さなければならないのですが、これがニッチもサッチも行かない。

もう、ガラクタ過ぎて宝物はまったく見つからないことが多いのです。

本書を読んで思ったのは
「書いたメモはガラクタであることは当たり前」
そう理解しておくことが、解決の糸口になるのではないか。

せっかく自分が出したアイデア、情報なのでそれを使わないと勿体無い、そういう意識がついつい働いてガラクタを捨てることができない。でも、ガラクタをどんなに眺めても頭は混乱するばかりで何も生まれない。そういう現実にストレスを感じて疲れてしまう自分がいます。

最近はじめた付箋やブロックメモの仕事術はこの「ノイズ」の発想から取り組みはじめました。

[https://tsukuru.xyz/2017/04/20/post-2595/]

[https://tsukuru.xyz/2017/05/09/post-2711/]

書いたものの9割がゴミなのですから、最初から捨てることを前提にメモをとろう、ゴミなので使えなかったとしても落ち込むことはない。そういう発想です。

ブロックメモは安価なメモ用紙なので、直ぐに捨てれば廃棄できるし、適度な大きさなので、ガラクタのメモを見たくなければ、隠してしまえるから新しい発想の邪魔にならない。目の前から直ぐに消えてくれる。

手帳やノートは書いたものが残ってしまうから、新しい発想の邪魔になる。

それにノートや手帳に書くと、自分で書いた落書きに満足して、それで仕事が終わったかのように錯覚してしまうことがある。自分ってスゴイと勘違いしてしまう。

自分が書くものの9割は使い物にならないのだ、と割り切って考えを進めていくと非常に清々しく仕事を進めることができるのです。

 本質を捉える

あらゆる事実には、本質が隠されている。優れたジャーナリストは、情報の断片を調べ、それらの関係性を発見する。単に情報を受け渡すだけなら、誰にでもできる。ジャーナリストの存在意義は、そこに本質的な意味を見出すところにあるのだ。
P98

 

これも情報の扱いかたについてのヒント。

考えるためには、情報を集めることが必要です。根拠となるべき情報がなければ空理空論になってしまう。だから情報を集めるのですが、
大切なのは、集めた情報から何がいえるのか?隠された部分に潜む関係性を読み解くこと。本質を見極めることなのです。単に集めるだけでは意味がない。

特にエッセンシャル思考を実践する上では、本質を見極めないで行動するとあとで大きく後悔することになりかねません。

著者はパーティや同僚との飲み会、知人からの頼まれごとなど、よく検討した上で拒否することでエッセンシャル思考が実践されるのだと書かれています。

でも、もし本質を見極めないままに友人からの依頼を拒否したり、知人に冷たい対応を取り続けたとしたら、取り返しのできない信頼という大きな財産を失ってしまうことになるかもしれません。

この世は人間の集まりだし、仕事は基本的には人間を相手に行うものですから、信頼はふれあいの中でしか育むことはできません。それを拒否していくとなるとより慎重な対応が求められるべきです。

著者がこの章を書いたのは、実はエッセンシャル思考を実践するのは「非常に難しい」ことの裏返しではないのか。シンプルにものごとを捉えること、ミニマルな生活は大変心地よいのですが、その裏側には非常に大きな代償を伴う。

それを乗り越えるには本質を見抜く技量は非常に重要なのです。

 

最後に

実に不思議な本です。

これと言って大したことは書いてないようでいて、不思議な示唆に飛んでいたり、あるいは、ふとしたフレーズを読んでそれが仕事上のヒントとなることもある。

先程も書いたように、実はエッセンシャル思考を本当に実行することは非常に難しく、実践できているのはまだほんの少数のようにも思えます。
だからこそ価値があるのでしょうし、実践する意義があるのだと思います。

ここで書いたのはほんの触りだけです。
シンプルでパワフルな仕事術に興味を持ったら、是非、本書を読んでみてください。

仕事のやり方に悩んでいる人に、オススメしたい本です。

エッセンシャル思考 最少の時間で成果を最大にする
グレッグ マキューン
かんき出版
売り上げランキング: 810